各種検査のご案内
みなとみらい夢クリニックでおこなっている不妊治療にかかわる検査の一覧を掲載しています。ご夫婦の不妊原因を調べるための基本的な検査から、患者さま一人ひとりの症状やお体の状態に合わせた最適な不妊治療を行っていく中で、必要な検査を適切なタイミングで提案し、患者さまがその検査の必要性・方法・結果・リスク等をご理解いただいたうえで、検査を受けていただきたくことを心がけています。
初診時の検査
1)問診、内診(経腟超音波検査)、採血で貧血の有無の検査、血圧チェック、身長/体重計測
- 経腟超音波検査
経腟超音波検査では、超音波プローブを腟から挿入して、子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどの異常がないかを確認します。また、月経周期に合わせることで排卵の有無を検査することができます。
2)甲状腺ホルモン(FT4・TSH)
甲状腺に関係するホルモンの異常により、月経不順や流産率の増加、胎児の発育に影響があると考えられています。検査時に異常と判断された方は、精査・定期的なフォローが必要になる事があり、甲状腺専門の医療機関をご紹介します。
3)AMH(抗ミュラー管ホルモン)
卵巣の予備能力(卵巣の中に残っている卵の数)を測る検査です。年齢と共に減少しますが、卵子の質を示すものではありません。
4)子宮頸がん検査
子宮頸がん検査は、子宮の入り口(子宮頸部)の細胞が、がんの原因ウイルスHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していないかを調べる検査です。HPV検査の結果、HPVへの感染が認められた場合には、細胞ががん化していないか状態を調べる「細胞診検査」を行います。子宮頸がんは初期の段階では自覚症状がほとんどなく、症状が進行している場合があります。子宮頸がんが進行してからの治療は将来の妊娠や出産に影響を及ばす可能性があることから、当院では1年以内に子宮頸がん検診を受けていない方にお勧めしています。
※横浜市内にお住まいの方は、横浜市子宮頸がん検診で検査を受けることができます。
5)ご主人(パートナー)の検査
精液検査と採血にて感染症(B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒)・亜鉛をチェックします。
(亜鉛は精子をつくる際に重要な栄養素のため、不足している方は、栄養相談・サプリメント内服などをご案内します。)
スクリーニング検査(2回目の通院時に実施)
妊娠前スクリーニング検査は、全身状態のチェックや不妊の原因を検索するために行います。
妊娠中や分娩時のトラブル軽減のために、妊娠を目指す段階でご自身に何らかの合併症が潜んでいないかチェックすることが目的です。知らずに妊娠にした場合、母児共に影響を与える可能性があり、事前にあらかじめ検査をしておくことが大切です。
※感染症を含む一部の検査は1年ごとに実施しています。
1)感染症検査(血液検査)
- 感染症(B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒)
感染症検査は、妊娠や出産への影響、新生児への感染を防ぐ(母子感染)、院内感染の予防を目的とした事前に行う検査です。 - クラミジアIgA/IgG抗体
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌による感染症です。性的接触によって感染し、男女ともに感染する可能性があります。特に気をつけなければならないのは、感染しても自覚症状がない場合が多いということです。クラミジア感染によって、卵管・卵巣周囲に癒着を作り、卵管閉塞や卵子のピックアップ障害の原因となることがあります。また、未治療のまま放置すると妊娠後の流早産の原リスクが高まります。「陽性」と診断された場合は、ご夫婦ともに抗生剤での内服治療が必要となります。 - 風しん予防接種・抗体検査
母体が妊娠中に感染した場合、胎盤を介して胎児に感染し、先天性風疹症候群を引き起こす可能性があります。そのため、風疹抗体価16倍以下の方は治療前に風疹ワクチン(MRワクチン)の接種を推奨しております。生ワクチンのため、接種後は2ヵ月間の避妊が必要になります。
※横浜市内にお住まいの方は、横浜市風しん対策事業で風しん予防接種と抗体検査を受けることができます。
2)ビタミンD検査(血液検査)
ビタミンDの不足は、卵子の形成の遺伝子レベル、着床不全や流産に影響するといわれています。不足している場合は、栄養相談・サプリメント内服などをご案内します。
3)各種ホルモン検査(血液検査)
ホルモンは月経周期によって変動します。月経周期に合わせて必要なホルモン値を検査します。
- E2 卵胞ホルモン(エストロゲン)
卵巣に存在する卵胞から産生され、卵胞が育つと共に上昇するホルモン。子宮内膜を増殖させ、頸管粘液を増やす作用があります。 - FSH 卵胞刺激ホルモン
卵胞を刺激して卵胞の発育を働きかけるホルモン。月経中のFSHから卵巣機能が予測でき、高値の場合は卵巣機能の低下が考えられるため、卵巣に負担をかけない治療をご提案します。 - LH 黄体化ホルモン
排卵や黄体形成に関与するホルモン。排卵の前に上昇します。 - P4 黄体ホルモン(プロゲステロン)
排卵後の黄体から分泌されるホルモン。基礎体温を上昇させ、子宮内膜を着床と妊娠に適した状態にさせます。
4)その他必要に応じて行うホルモン検査(血液検査)
- TES (テストステロン)
男性ホルモンのひとつで、過剰な場合には排卵障害の原因になります。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)では高値になることがあります。 - PRL (プロラクチン)
乳汁分泌に関与するホルモン。高値で卵胞発育や排卵、月経の乱れに影響します。(値があまりに高い場合には下垂体腫瘍が疑われるため脳外科にご紹介することがあります。) - HCG (ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
妊娠した後にできる絨毛(将来の胎盤)から分泌されるホルモン。着床すると値が上がります。
卵管検査
卵管検査には、「卵管造影検査(HCG)」や「卵管通水検査」などがあり、妊娠に必要な卵管の通過性を確認するための検査です。卵管造影検査(HCG)は、子宮内に造影剤を注入し、子宮から卵管へ流れていく様子をX線透視下で観察し、レントゲン撮影を行います。使用する造影剤は、基本的には身体に無害なものですが、造影剤アレルギーがある方には使用できません。
当院では、造影剤を使用せずに短時間(10分程度)での検査が可能な「超音波下卵管撮影検査(フェムビュー)」を行っております。
1)超音波子宮卵管撮影検査(フェムビュー®)
超音波子宮卵管撮影検査は子宮用注入器(フェムビュー)で生理食塩液と空気の混合液を作成し、この混合液を細いチューブ(カテーテル)を膣から挿入し、子宮膣内に注入することで超音波による子宮卵管撮影が可能となります。混合液の流れ方を見て、左右の卵管が狭窄・閉塞していないか等を調べる検査です。卵管の状態を調べるための基本的な検査の1つで、X線を使わず短時間で受けられる簡単な検査です。この検査は、保険適用外で自費診療となります。料金:税込33,000円(初再診料、薬代等は別途料金が発生します。
2)卵管通水検査
卵管の詰まりの有無を調べる検査です。膣から子宮内に細いカテーテルを通し、生理食塩水を注入し、左右の卵管から腹腔内へ生理食塩水が流れを観察します。流れがスムーズであれば、卵管に閉塞がないと判断されます。(所要時間10分程度)
ヒューナーテスト
- 排卵時期に性交渉をもったあと、性交渉翌日または当日に来院し、子宮頸管粘液を少量採取し、粘液内に運動している精子がどれくらいいるかを顕微鏡で調べる検査です。
- 通常、排卵の数日前から粘り気のある頸管粘液(おりもの)の分泌量が増えていきます。頸管粘液は、精子が子宮頚管を通り子宮内へ進むのを助ける役割がありますが、分泌量が少なかったり、性状により腟内に射出された精子が子宮内に侵入できていない場合があるので、その通過障害の有無を検索します。
- 精液検査の所見が不良の場合はこの検査は施行しないこともあります。
- ヒューナー検査の結果が不良の場合はタイミング治療ではなく人工授精(AIH)からの治療をお勧めしています。
- ヒューナー検査で運動精子が0の場合、免疫因子が不妊原因の可能性として考えられます。抗精子抗体採血の陽性が確認されれば生殖補助医療をご提案します。
精子・精液検査(ご主人(パートナー))
1)精液検査
精液検査は、男性の生殖能力を評価するための重要な手段です。精液量、1mlあたりの精子濃度、運動率、正常形態率を調べる検査です。精液検査の結果を評価する際に、国際的な標準として用いられるのがWHO(世界保健機関)が発表している基準値です。
| 項目 | 下限基準値(WHO 2021年) | |
|---|---|---|
| 精液量 | 精液の総量 | 1.4ml以上 |
| 濃度 | 精液1mlあたりの精子数 | 1600万/ml以上 |
| 運動率 | 動いている精子の割合 | 42%以上 |
| 正常形態率 | 正常な精子の割合 | 4%以上 |
採精方法
- 自宅で採精 → 精子を専用の容器に入れて精子持ち込み依頼書と共にご持参ください。
(予約時に専用の容器と精子持込依頼書をお渡しいたします。) - 院内で採精 → 院内のメンズルームを利用して採精していただきます。
禁欲期間
2~7日
※ご主人の感染症採血が未施行の方は検査当日に感染症の採血が必要となります。
2)精子クロマチン構造検査(SCSA)
精子の運動率や濃度の結果が良くても、DNAは傷ついていることがあります。精子DNA損傷検査はDNAが損傷している精子の割合(DFI)や未熟な精子(HDS)の割合を調べる検査です。そのような精子の割合が多いと自然妊娠や人工授精による妊娠の可能性が低くなることや、流産率が高くなることが報告されています。
3)TAC検査(抗酸化力検査)
抗酸化力検査とは、精液中の酸化ストレスへの抵抗力を測定する検査です。不妊男性は、抗酸化力が低いことが報告されています。抗酸化力は生活習慣の改善や。サプリメントの摂取で高めることができ、DNA損傷率を軽減するとの報告があります。
子宮鏡検査
直径約3mmのファイバースコープを子宮内に挿入し子宮内腔を観察する検査です。内腔に子宮内膜ポリープや子宮筋腫、形態異常などがないかを確認します。着床を妨げるような異常があった場合には別途手術を行う場合があります。
検査時期:卵胞期(月経の出血がなくなってから排卵前まで)
